その主たる原因は、現代建築ではどうしても使用を免れえない、化学合成新建材に含まれる可塑剤・架橋剤、または木質建材につきものの保存剤にあることは、すでに知られている。これらの、多種多様な化学合成剤に使用されている普通水(自由水の多い水)は、本来、建材内部で安定しているべき「結合水」にはなり得ず、崩壊・蒸散しやすい。まずH2O水分子から解離した、揮発性の水素(H)がさまざまな化学物質を引き寄せながら一気に蒸散し始める。この「水の崩れ」こそが永続的に続くVOC類の発生原因である。一方、水素が解離してしまった後の、強い活性力を持つ、オゾン寄りの物性を示すオキシダントが、建材内部に残された化学合成剤の成分と反応し、建材内部で酸化現象を引き起こし、製造時に使用されていない物質が生成され、建材にも劣化現象をもたらしている。